ミニマリスト老子

老子3章:安心して暮らせることが一番。

老子3章 安民

ワンルーム暮らしミニマリストブロガーのまさすみです。

前回は第2章を紹介しました。↓
https://otukisama.com/laozi-2/

今回は、第3章「安民」。

「老子道徳経は当時の君主のために書かれた」という見方が主流ですが、以前私は、老子は「人間は~~」のようにもっと高い目線で語っているように感じると書きました。

本来の政治が目指すものが「人々が安心して幸せに暮らせること」であるとすれば、この章はまさに前者の「政治はこうすればうまくいく」と言っているようにも読み取れます。

老子が生きていたとする時代も、政治は不正や汚職が多かったとされます。
もし、老子が君主のためにこの章を書いたとすれば、そこには皮肉が込められていたことになります。

第3章は、モノや名声よりも人々が自然に安心して暮らすことの大切さを教えてくれます。

それでは、ご覧ください。

老子 第3章の原文

不尚賢、使民不争。
不貴難得之貨、使民不為盗。
不見可欲、使民心不乱。
是以聖人之治、虚其心、実其腹、弱其志、強其骨。
常使民無知無欲、使夫知者不敢為也。
為無為、則無不治。

3章の訳・私の解釈

賢さ(賢い人)を尊ばなければ、人は争わなくなる。
手に入りづらいモノに価値をおかなければ、盗みをする人もいなくなる。
欲しくなるようにしなければ、人の心は乱れなくなる。
だから、タオの人が治めるならば、心配事を無くして、お腹を満たして、高望みの気持ちを弱め、体を丈夫にする。
人々が欲に無関心なれば、こずるい者が何かすることもない。
治めようとしなければ、平穏に治まる。

解説・私の思うこと

「不尚賢、使民不争。」
「不貴難得之貨、使民不為盗。」
「不見可欲、使民心不乱。」

訳:
賢さ(賢い人)を尊ばなければ、人は争わなくなる。
手に入りづらいモノに価値をおかなければ、盗みをする人もいなくなる。
欲しくなるようにしなければ、人の心は乱れなくなる。

私はテレビやネットを毎日見ますが、様々なCMが流れています。
商売が成り立つには、人に知ってもらうことも必要だし、買ってもらえるようにする必要があります。

ただ、必要以上に煽られることで、「手に入れたい!」という欲望が強くなり、「手に入れることができない」というストレスが生まれます。

「あの人が持っているのに、私は持っていない」という嫉妬、「私だけが持っている」という虚栄心、場合によっては過剰な欲望が犯罪につながる可能性もあります。

私自身の経験でも、「絶対欲しい!」と思って手に入れたものが、実際手に入ったら、全く使わなかったり、そもそも必要なかったという経験が何度もあります。

「是以聖人之治、虚其心、実其腹、弱其志、強其骨。」

訳:
だから、タオの人が治めるならば、心配事を無くして、お腹を満たして、高望みの気持ちを弱め、体を丈夫にする。

政治の目的が「人々が幸せに暮らすこと」であるとすれば、本当に必要なことは、余計な心配をせずに、ご飯が食べれて、健康であれば十分で、むしろ、これさえあれば、何も困らないのかもしれません。

「常使民無知無欲、使夫知者不敢為也。」
「為無為、則無不治。」

訳:
人々が欲に無関心なれば、こずるい者が何かすることもない。
治めようとしなければ、平穏に治まる。

法律をたくさん作って、人々を治めようとするから、それをさらにかいくぐる人も出てきて、またそれを取り締まるための法律が必要になります。
これは、もうイタチごっこになってしまうわけです。

それよりも本来の人間の性善の部分で暮らしていけるようにすれば、わざわざこずるいことを考える人もいなくなり、必要以上の法律もいらなくなる。
その性質を知っているタオの人が政治をするならば、心配なことを減らしてあげ、必要な分の食事を取れるようにして、健康になるようにすることで、治めようとしなくても自然と人々が安心して暮らすようになるということなんですね。

あとがき

いかがでしょうか?

「無知や無欲になった方がいい」というのは、究極的な表現であって、過剰な欲や、それを冗長させすぎるのがよくないということですね。

確かに、心配事がなくて、ご飯が食べれて、身体も丈夫であれば、人は穏やかに暮らせます。

人間、最終的に行きつくのは健康だといいます。
お金やモノや地位があっても、体が悪ければ、食べたいものも食べれず、やりたいこともできず、行きたい所にも行けません。

私個人としては、欲望をかき立てる様々なものの本質を見極めて、本当に自分に必要なのか、無いと困るのか、手に入れて満たされるのは、暮らしなのか、欲求なのかという目線を持てるようにしたいと思います。

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