ワンルーム暮らしミニマリストブロガーのまさすみです。
前回は老子第9章を紹介しました。↓
https://otukisama.com/laozi-9
今回は、第10章。
この章では、他の章でも説明されていた内容がいくつも出てきます。
その中で全体を通して、老子が一番言いたいことが何なのか、とても考えました。
老子の自問を通して、あなたはどんなことを感じるでしょうか?
それでは、ご覧ください。
老子 第10章の原文
載營魄抱一、能無離乎。
專氣致柔、能孾兒乎。
滌除玄覽、能無疵乎。
愛民治國、能無以知乎。
天門開闔、能爲雌乎。
明白四達、能無以爲乎。
生之畜之、生而不有、爲而不恃、長而不宰。
是謂玄徳。
10章の訳・私の解釈
日々の生活をしながらもタオを生きることはできるであろうか。
生命力に満ち柔軟に、赤ん坊のようにいられるであろうか。
心の鏡をきれいにして、過ちのない生き方ができるであろうか。
人のためになることを、知られることなくできるであろうか。
タオがすべてを生み育てるように、無償の愛を持つことができるだろうか。
多くのことを知っていても、知識を自慢せずにいられるであろうか。
このように生きて徳を養い、生み出しても所有せず、為しても見返りを求めず、人の上に立っても支配しない。
これを玄徳と言う。
解説・私の思うこと
「載營魄抱一、能無離乎。」
「專氣致柔、能孾兒乎。」
「滌除玄覽、能無疵乎。」
訳:日々の生活をしながらもタオを生きることはできるであろうか。
生命力に満ち柔軟に、赤ん坊のようにいられるであろうか。
心の鏡をきれいにして、過ちのない生き方ができるであろうか。
一見、若干の説教臭さを感じますが、老子は「〇〇しなさい」という表現は使っていません。
また、「自分がこうしている」とも老子は言いません。
なぜなら、「自分はこんな良いことをしている」と言ってしまうこと自体が「無為」や「謙虚さ」と矛盾してしまうからです。
ですから、誰かに言っているというよりは、自分自身に「〇〇ができているだろうか?」と自問しているように感じます。
受け取る側にとっても、自分で自分を戒め、考えさせるような言葉です。
「愛民治國、能無以知乎。」
「天門開闔、能爲雌乎。」
「明白四達、能無以爲乎。」
訳:人のためになることを、知られることなくできるであろうか。
タオがすべてを生み育てるように、無償の愛を持つことができるだろうか。
多くのことを知っていても、知識を自慢せずにいられるであろうか。
見返りを求めずに物事を行い、深い愛情と謙虚さを持ち合わせていますか?
日頃の私自身の生き方を考えてみると、自分より他人を優先して考えることはなかなかできません。
ただ、自分で自分のために1のことをしても、1が返ってくるだけです。
しかし、人のために1のことをすれば、多くの人の役に立ち、それは1以上になって返ってくるかもしれません。
これを打算的ではなく自然とできることが理想的です。
老子が言う「無為」は究極的なので、いきなりそれを目指すのは難しい。
普通はそんな聖人のように振る舞えません。
凡人レベルでは、打算的でも何かの役に立てるなら、しないよりはまだマシですから、些細なことから良い事を心がけたいと思います。
「生之畜之、生而不有、爲而不恃、長而不宰。」
「是謂玄徳。」
訳:このように生きて徳を養い、生み出しても所有せず、為しても見返りを求めず、人の上に立っても支配しない。
これを玄徳と言う。
「生而不有、爲而不恃」の句は老子第2章でも出てきました。
老子はこの世界(タオ・地球・宇宙)のあり方を人は見習うべきだといいます。
地球は地球に住む生物に見返りを求めません。
当たり前ですが、住まわせてやっているとは言いません。
逆に人間でいえば「俺がやってやった」と言う人がいますが、こういう人には徳があるとは言えませんね。
玄徳とは、目には見えないがこの世界のすべてに浸透している働き。
この世界を存在させている見えない摂理とも言えるかもしれません。
私たちに意識させるもことなく、受け取ることができるようにしている、すべての物事が玄徳なんですね。
あとがき
いかがでしょうか?
今までの章と同じような内容がいくつも出てきます。
言いたいことは何となくわかるのですが、この章で老子が一番伝えたいことは何なのでしょう。
人間が「無為」に一番近い状態は「ワクワクすること」をしているときだと私は思います。
「ワクワク」の状態は、自分の内側からエネルギーがあふれ出てきます。
それはプラスの力となって、周りにも良い影響をもたらす。
その視点からこの章をかみ砕いた結果、私個人としては次のように収まりました。
・後からついてくる「所有」「見返り」などを考えずに自分らしく生きる。」
・ワクワクすることをして、それが結果として知らないところで人のためになるのがベスト」
あなたはどのように感じましたか?